押し入れを片付けていたら、

買ったまま使ってなかった

おでん鍋が出てきました。

「今夜は、おでんやな」と

家族で具材の買い物に行きました。

「大根はレンジで下ゆでしてからの方が

早くできるでよ」とか言いながら。

ベースは、市販のおでんの素だったのですが、

食べて、具材を足していくうちに、

砂糖や醤油、お酒など、どんどんオリジナルの味付けをして

最終的に、「すき焼きみたいな味になったな」と、

「まあ、おいしいけんええわ」と笑いながら。

「他人の芸を見て、あいつは下手くそだなと思ったら、

そいつは自分と同じくらい。

同じくらいだと思ったら、かなり上。

うまいなあと感じたら、とてつもなく先に行っているもんだ。」

（古今亭志ん生/落語家）

「なめくじ艦隊」

古今亭志ん生（筑摩書房）

酒、女、バクチ、芸をしみじみと語り、

五代目古今亭志ん生の人柄がにじみでた半生記。